ChatGPTのプラン別:社内システムをつなげる条件と設定手順(2026年10月版)

この記事の要点

  • 自社の業務システムを「接続先」として追加し、書き込みまで使えるのは Business・Enterprise・Edu。Pro は読み取り系の機能だけ接続でき、Free・Go・Plus は公式ヘルプの対象に入っていません。
  • 接続先を作って社内に公開できるのは 管理者・オーナー(Enterprise/Eduは権限を割り当てた人も作成可)。使えるのは Web版のみ で、スマホアプリでは使えません。
  • 接続先は インターネットから届く 必要があります。社内ネットワークの中にあるシステムは、OpenAIの「Secure MCP Tunnel」などの仕組みが別途必要です。

この記事の内容は、2026年10月8日にOpenAIの公式ヘルプ「Developer mode and MCP apps in ChatGPT」などで確認したものです。ChatGPTの機能と画面は頻繁に変わるため、設定の前に最新の公式ヘルプもあわせてご確認ください。出典は記事末にまとめています。

「社内システムをつなぐ」とは何をすることか

ChatGPTには、Google DriveやSlackなどの外部サービスとつなぐ「アプリ」という仕組みがあります。あらかじめ用意されたアプリのほかに、自社で用意した接続先を登録することもできます。販売管理や顧客管理など、自社専用の業務システムをChatGPTから使うには、この「自社の接続先を登録する」方法を使います。

この接続先は、MCP(Model Context Protocol)という共通の規格に沿って作ります。MCPは、AIアプリと外部のシステムをつなぐための公開された規格です。ChatGPTの設定画面や公式ヘルプでは「MCPアプリ」「カスタムMCPサーバー」などの言葉で出てきます。利用者が中身を理解する必要はありませんが、業務システムとChatGPTの間に、MCPに対応した「接続先」が1つ必要だと覚えておいてください。

自社専用のシステムを登録するには、ChatGPTの開発者モードを有効にします。名前に「開発者」と付いていますが、プログラムを書くための機能ではなく、「OpenAIが審査していない接続先を自分たちで登録して試す」ためのモードです。

プラン別の比較表

2026年10月8日時点で、公式ヘルプから確認できた内容を表にしました。「記載なし」は、公式ヘルプに書かれていないため確認できなかった項目です。

項目Free・Go・PlusProBusinessEnterprise・Edu
自社の接続先の登録公式ヘルプの対象に記載なし可(読み取り・取得系の機能のみ)可可
データの書き込み(登録・更新)—不可可(ベータ)可(ベータ)
開発者モードを使える人—本人管理者・オーナーのみ管理者・オーナーと、権限を割り当てられたメンバー
社内への公開——管理者・オーナーが公開管理者・オーナーが公開。使えるグループや機能を選べる
使える場所—Web版のみ(公式ヘルプ「MCPアプリはモバイルでは使えない」)
つないだ先の情報の学習利用「モデルの改善」設定がオンだと、学習に使われる場合がある既定では学習に使われない
  • Free・Go・Plus自社の接続先対象に記載なし書き込み—開発者モード—
  • Pro自社の接続先読み取り・取得系のみ書き込み不可開発者モード本人
  • Business自社の接続先可書き込み可(ベータ)開発者モード管理者・オーナーのみ
  • Enterprise・Edu自社の接続先可書き込み可(ベータ)開発者モード管理者・オーナーと、権限を割り当てられたメンバー

使える場所は、どのプランでもWeb版のみです(スマホアプリでは使えません)。

図:ChatGPTのプラン別に見た、自社の接続先を登録できる範囲(2026年10月8日時点の公式ヘルプによる)。

公式ヘルプでは、書き込みを含む全面的なMCP対応は「Business・Enterprise・Eduでベータとして順次提供中」と書かれており、機能・画面・権限は変わる可能性があるとされています。Proについては「開発者モードで、読み取り・取得の権限を持つMCPを接続できる」とあり、詳しい画面の手順はヘルプに書かれていません。

Free・Go・Plusは、開発者モードやMCPアプリの対象として名前が挙がっていません。これらのプランで社内システムを使いたい場合は、Businessなど法人向けプランへの切り替えを前提に検討するのが安全です。

始める前に用意するもの

  • 接続先のURL:業務システムにつながるMCPの接続先です。開発会社に作ってもらうか、接続サービスを使って用意します。OpenAIの開発者向け資料では、インターネットから届くHTTPSの住所(多くは末尾が /mcp)が前提とされています。
  • ログイン方式の情報:接続先がOAuth(ほかのサービスのアカウントでログインする方式)を使う場合は、その設定情報が必要です。
  • 読み取り専用の鍵:接続先が業務システムのAPIを呼ぶための鍵は、最初は「見るだけ」の権限に絞ってもらいます。理由は「安全チェックリスト」で説明しています。
  • ChatGPTの管理者権限:Businessの場合、作業する人がワークスペースの管理者かオーナーである必要があります。

業務システムにAPIがあるかどうかが分からない場合は、先に「自社システムにAPIがあるか確かめる方法」をご覧ください。

設定手順(Business)

公式ヘルプに書かれた手順を、順番に並べ直しました。画面の名前は英語版ヘルプの表記で、日本語表示では訳語が異なる場合があります。

  1. 管理者・オーナー開発者モードを有効にする
  2. 管理者・オーナー接続先(アプリ)を作成する
  3. 管理者・オーナー「Scan Tools」で機能を読み込む
  4. 管理者・オーナー下書き(Drafts)の状態でテストする
  5. 管理者・オーナー「Publish」で社内に公開する
  6. メンバー「@」か「+」でアプリを指定して使う
図:Businessでの設定の流れ。1〜5は管理者・オーナーの作業です。
  1. 開発者モードを有効にする(管理者・オーナー)
    ワークスペース設定の「Permissions & Roles」→「Connected Data」にある「Developer mode / Create custom MCP connectors」の切り替えで有効にします。個人の設定画面の「Apps」→「Advanced settings」→「Developer mode」から有効にする方法も案内されています。この切り替えは管理者ごとで、ほかの管理者の分までは有効になりません。また、Businessでは一般メンバーに開発者モードを割り当てることはできません。
  2. 接続先(アプリ)を作成する
    ワークスペース設定の「Apps」→「Create」を開き、接続先のURLと名前などの情報を入力します。ログイン方式があれば選びます。
  3. 機能の読み込み
    「Scan Tools」を押し、接続先が提供する機能の一覧が読み込まれるのを待ちます。OAuthの場合は、途中でログインの確認画面が出ます。終わったら「Create」を押します。
  4. 下書きの状態でテストする
    作成したアプリは、ワークスペース設定の「Apps」→「Drafts」に下書きとして入り、個人の設定には「Dev」という印付きで表示されます。新しいチャットを開き、ツールのメニューからこのアプリを選んで、実際に質問してみます。
  5. 社内に公開する(管理者・オーナー)
    ワークスペース設定の「Apps」→「Drafts」で「Publish」を押します。安全面の警告(特に書き込み機能がある場合)を確認してから公開します。公開すると、メンバーの画面に「custom」という印付きで表示されます。
  6. メンバーが使う
    チャットで「@」を入力してアプリを指定するか、「+」のメニューから選びます。アプリの指定はそのメッセージだけに効くため、新しいデータが必要な質問では、もう一度指定します。

画面の名前について:2026年10月8日時点の公式ヘルプでは、同じ場所が「Apps」と書かれたページと「Plugins」と書かれたページが混在しています(管理コンソールでは「Plugins」→「Manage Legacy Apps」から旧来のアプリ画面を開く、という案内もあります)。画面が見つからない場合は、両方の名前で探してください。

Enterprise・Eduで追加でできること

Enterprise・Eduでは、Businessの手順に加えて、管理者が細かく権限を分けられます。

  • 開発者モードを特定の人に許可:RBAC(役割ごとの権限設定)で、特定のメンバーに開発者モードを使わせることができます。許可されたメンバーは、個人の設定の「Apps」→「Advanced Settings」から有効にします。
  • 公開前に使える機能を選ぶ:「Publish」を押した後の「Configure Actions」で、アプリに許す機能を選んだり外したりできます。読み取りの機能だけを許可する、という使い方ができます。
  • 使えるグループを選ぶ:「Configure Access」で、公開先のグループを指定できます。
  • 公開後の変更:ワークスペース設定の「Apps」で対象アプリの「…」→「Action control」から、後から機能を止められます。接続先に新しい機能が増えても自動では有効にならず、「Refresh」で取り込んだ新しい機能は最初は無効になっています。

よくあるつまずき

  • スマホで見つからない:MCPアプリはWeb版のみです。パソコンのブラウザで使ってください。
  • 管理者以外が設定しようとして止まる:Businessでは、開発者モードもアプリの公開も管理者・オーナーだけです。社内の誰が管理者かは、ワークスペース設定の「Members」で確認できます。
  • もう1人の管理者の画面では使えない:開発者モードの切り替えは管理者ごとです。それぞれが自分で有効にします。
  • 社内ネットワークの中にあるため、つながらない:ChatGPTはインターネット上の接続先にしかつなげません。OpenAIのクラウドから届かない場所にある場合は、次の「よくある質問」をご覧ください。
  • 接続先を更新したのに、ChatGPT側が古いまま:ChatGPTは、管理者が承認した時点の機能一覧を保存して使います。接続先の機能が変わったら、管理者がワークスペース設定から機能一覧を更新(Refresh)する必要があります。互換性のない変更だとエラーになりますが、管理者に自動で通知は届きません。
  • しばらくするとログインが切れる:OAuthで、ログイン状態を延長するための設定(offline_access など)がないと、最初の認証の期限が切れた後に使えなくなることがあります。接続先を作った側に確認してもらいます。
  • エージェントモードで使われない:公式ヘルプでは、エージェントモードは自社のアプリを使わず、ディープリサーチは読み取り・取得の機能だけ使えるとされています。

よくある質問

ChatGPT Plusで社内システムをつなげますか?

2026年10月8日時点の公式ヘルプでは、開発者モードとMCPアプリの対象はBusiness・Enterprise・Eduで、Proは読み取り系のみと書かれています。Plusは対象として挙がっていないため、つなげない前提で考えてください。

スマホのChatGPTアプリから使えますか?

使えません。公式ヘルプのよくある質問で「Web版のみ」と明記されています。

社内ネットワークの中にあるシステムもつなげますか?

そのままではつなげません。OpenAIは、社内ネットワークの中から外向きの通信だけで接続する「Secure MCP Tunnel」という仕組みを用意しています。社内に小さな中継プログラム(tunnel-client)を置き、そこから api.openai.com の443番ポートへ外向きに接続します。設定にはOpenAIの開発者向け管理画面(Platform)での権限が必要で、情報システム担当者や開発会社の作業になります。

インターネットから届く接続先(通常)

  1. ChatGPTOpenAIのクラウドから接続する
  2. 接続先インターネットから届くHTTPSのURL
  3. 業務システム

社内ネットワークの中にある場合(Secure MCP Tunnel)

  1. 社内ネットワークの中のシステム
  2. tunnel-client社内に置く小さな中継プログラム
  3. api.openai.com443番ポートへ外向きに接続する
図:ChatGPTが接続先につながる経路。社内ネットワークの中にある場合は、社内から外向きの通信だけで接続する仕組みを使います。

データの登録や更新もChatGPTからできますか?

Business・Enterprise・Eduでは、ベータとして書き込みの機能も使えます。その場合、ChatGPTは操作の内容に応じて確認を求め、特に危険な操作は止めることがあるとされています。ただし、最初は読み取りだけで始めることをおすすめします(安全面の注意)。

つないだシステムのデータは、AIの学習に使われますか?

公式ヘルプでは、Business・Enterprise・Eduは、接続先から取得した情報を既定では学習に使わないとされています。Free・Plus・Go・Proでは、「Improve the model for everyone(すべての人のためにモデルを改善する)」の設定がオンの場合、学習に使われることがあります。

社員全員に使わせるには、どうすればよいですか?

管理者がアプリを「公開」すると、ワークスペースのメンバーの画面に表示されます。Enterprise・Eduでは、公開先のグループを選べます。Businessで特定の人だけに絞れるかは、公式ヘルプで確認できませんでした。

安全面の注意

公式ヘルプは、信頼できない接続先をつなぐと、プロンプトインジェクション(AIに不正な指示を紛れ込ませる攻撃)などの危険が増えると注意しています。また、自社で作った接続先や他社が作った接続先が、自社にとって安全で適切かを確かめる責任は利用する会社にある、と明記されています。

  • 信頼できる相手が作った接続先だけを登録する。中身が分からない接続先は公開しないでください。
  • 読み取り専用から始める。業務システム側の鍵を「見るだけ」に絞れば、AIが誤って登録・削除をする心配がなくなります。
  • 確認の設定を見直す。ChatGPTには、操作の前に確認を求める設定(「Always ask」「Allow read actions」など)があります。「Allow all actions」は確認なしで操作が進むため、危険度が高いとされています。
  • 公開前に下書きで試す。答えの数字を、業務システムの画面と突き合わせてから公開します。
  • 記録を残す。Enterprise・Eduでは、アプリを使った会話もCompliance API(監査用の記録取得の仕組み)の対象になります。

接続前に確認したい項目は「業務システムを生成AIにつなぐ前の安全チェックリスト」にまとめています。

キクダケでの使い方

キクダケは、業務システムの既存のAPIと手元の仕様書(Excel・PDF・Word)から、ChatGPTやClaudeに登録する「接続先」を用意するサービスです。上の手順の「接続先のURL」を、開発を依頼せずに用意する役割にあたります。

  • 現在はβ版の準備中で、まだ利用は始められません。ChatGPTへの対応は予定の段階で、プラン別の動作確認はβ版で行います。
  • 使えるのはデータを読み取る機能だけです。登録・更新・削除はできません。このため、書き込みに対応しないProでの利用も想定していますが、実際に使えるかはβ版で確認してからご案内します。
  • Business・Enterpriseでは、キクダケが発行したURLを、管理者が上の手順で登録・公開する流れになる予定です。

ChatGPTとClaudeのどちらを使うか迷っている場合は、「Claudeのカスタムコネクタで社内システムを使う手順」もあわせてご覧ください。Claudeは無料プランでも接続先を1つ登録できます。

出典・参考

確認日:2026年10月8日。上記の公式ヘルプ・ドキュメントを同日に確認した内容です。画面の名前は英語版の表記によります。ChatGPTの機能・提供プラン・画面は変更されることがあるため、導入前に最新の公式情報をご確認ください。